2010年1月11日月曜日

コルネアプラスティーとは?

コルネアプラスティーとは、オルソケラトロジーの究極の進化形といってもいいでしょう。

コルネアプラスティーの治療は、現在は治験中といわれています。じっさいに導入されるのは、時間の問題といえそうです。

コルネアプラスティーでは、まず角膜の各層間の結合を弱めるような酵素(こうそ)を、角膜に注入します。角膜は3層構造になっています。その結合を、まず弱めるのです。

そのあとオルソケラトロジーのような、角膜を変形させるハードコンタクトレンズを装用します。すると通常よりも凹みやすくなります。

その後、今度は角膜の各層間の結合を強めるような酵素(こうそ)を、角膜に注入。すると、凹んだ形が固定され、その形が半永久的に持続するというわけです。

もしこの視力矯正法が実現されれば、毎晩のコンタクトレンズの装用が必要なくなります。レーシック手術のように、たった一回の治療で、矯正は終了するわけです。しかも角膜を削っていないため、レーシック手術のように絶対にもとの形に戻らないわけではありません。

しかしコルネアプラスティーといえども、オルソケラトロジーやオサートと同様、たんなる角膜の矯正。眼球の形は、いぜんとして近眼のままであり、つねに眼病のリスクをかかえているということは忘れてはいけないでしょう。

2010年1月10日日曜日

オサートとは?

オサートとは、オルソケラトロジーの進化形といってもよいでしょう。

オルソケラトロジーには、適応範囲に欠点がありました。
そこで、オルソケラトロジーのパイオニアである「三井メディカルクリニック」が、オルソケラトロジーの欠点を補うものとして開発したものが、オサートなのです。

オサートの特徴は、レンズを何回も作り変える「段階的治療」が特徴になっています。さらに個人の角膜形状に合わせてレンズをつくる「完全オーダーメイド」になっています。

従来型のオルソケラトロジーでは、いくつかの型を決め、それを大量生産していました。そのため個人の角膜形状に完全に合うレンズではなかったのです。

オサートでは、個人個人にあわせてレンズを作るため、かなり精巧なレンズになっています。

オサートの段階的治療では、いったんへこませた角膜を、さらにへこませるためのレンズを新たに作ります。そうしてできた凹みは、けっして一回だけでは実現できないような凹みになります。あとはこの繰り返しです。

このオサートの段階的治療法によって、視力0.01というような強度の近視であっても、1年後には視力1.5になることが可能になります。そのほか強度の乱視も矯正可能。遠視や老眼でも矯正できるようになっています。

オサートでは、強度の近視と老眼を同時に視力回復させることも可能です。

そのほか角膜炎や結膜炎、円錐角膜といった、「目の表面に異常」があっても、視力を矯正できます。レンズの素材を変更することによって、角膜炎や結膜炎に対応できるのです。

ただオサートの難点は、従来型のオルソケラトロジーよりもさらに高額であるところ。何度もレンズを作り変えるので、当然といえます。

オルソケラトロジーで心がけるべき点

オルソケラトロジーの治療は、日中は裸眼ですごせるために、ともすれば目が完全によくなったと錯覚しがちです。

しかし眼球自体は、”近眼のままである”ということは忘れてはいけないのです。これはレーシック手術でも同様です。オルソケラトロジーもレーシック手術も、角膜を変形させることによって、目の屈折力を調整しているにすぎません。完全に目が良くなる方法とはいえないわけです。

現代の眼科学ではどうにもならない眼軸は、放置状態なのです。
近視治療をうけたとしても、目に負担をかければ、さらに眼軸が伸びる可能性があります。

近視治療をうけるほどの目は、たいてい眼軸が伸びている軸性近視。
眼球が長いわけです。そうなると眼球の内側にある網膜が引っぱられ、薄くなることに。視細胞どうしの間隔が広がるような格好になっているわけです。

この近視眼の網膜は、何かの衝撃で網膜に穴があく「網膜裂孔」や、網膜がやぶれて硝子体液が浸入して剥がれてくる「網膜はく離」を引きおこしやすくなっています。

そのほか「近視性の白内障」、正常な眼圧でも視野が欠ける「正常眼圧緑内障」、網膜の中央部の異常「黄斑変性症」といった眼病にもかかる可能性が高くなっているのです。

こういった事実を知らずに、オルソケラトロジーの治療によって、目がよくなったと勘違いしているとしたら、大変なことになります。

おすすめは、ルテインやビタミンCを多く摂るように心がけること。
緑黄色野菜や果物に多くふくまれています。そのほか目の血行を、つねに良くするように努めること。このふたつを心がければ、眼病を未然に防ぐことが可能になります。

そのほかオルソケラトロジーの治療を始めると、日中は裸眼生活になります。そうすると今までメガネやコンタクトレンズによって紫外線から守られていたのが、急に紫外線にさらされることに。メガネやコンタクトには、紫外線をカットする機能があるのです。そのため、意識してサングラスを活用するほうがいいでしょう。

2010年1月9日土曜日

オルソケラトロジーのデメリットとは?

オルソケラトロジーのデメリットとは何でしょうか?

オルソケラトロジーは、たしかに画期的な視力矯正法です。寝ているあいだに近視を矯正し、日中は裸眼ですごせるわけです。

しかし近視といっても、オルソケラトロジーで矯正できる近視には限度があります。強度の近視は矯正できないというデメリットがあるのです。

強度の近視は、角膜の突出が大きくなっています。
そのため角膜を変形させようとしても、うまくへこんでくれないわけです。
ただしオルソケラトロジーの進化形である「オサート」では強度の近視の矯正が実現しています。

そのほか目の表面に疾患がある場合、オルソケラトロジーの治療ができないことがあります。たとえばドライアイ、角膜炎、結膜炎といったもの。へたにハードコンタクトレンズを装用すると、症状を悪化させてしまうからです。この場合も、オサートなら適応が可能になっています。

オルソケラトロジーのデメリットとして、きちんと一定時間、睡眠を取らなければいけない、ということがあります。いまや日本人の5人に1人は、睡眠で悩んでいるといわれています。不眠症や睡眠障害があった場合、角膜の矯正不足で、思ったように視力が出ないのです。

そのほか、もともと睡眠が少なくても十分な「ショートスリーパー」が、まれに存在します。こういった人は、角膜を矯正するだけの時間がとれないので、適さないと考えられます。

そのほかオルソケラトロジーの治療費は、保険が適用できないので、かなり高額になるという問題があります。これはレーシック手術でも同様です。

2010年1月8日金曜日

オルソケラトロジーのメリットとは?

オルソケラトロジーのメリットは、いくつかあります。

もちろん、もっとも大きなメリットは、「日中は裸眼ですごせる」ということでしょう。わずらわしいメガネもなければ、コンタクトレンズもありません。自分の裸眼で見ているという実感があるのです。

そのほかのオルソケラトロジーのメリットとしては、レーシックとの比較で顕著になります。オルソケラトロジーの治療は、レーシック手術と似ています。角膜を平らにすることによって、裸眼生活ができるという点です。

しかしレーシック手術では、エキシマレーザーで角膜中央部をすり鉢上に、平らに削り取ります。当然のことながら、いったん削ってしまった角膜実質層はもとに戻せません。いっぽうオルソケラトロジーの近視治療では、角膜中央部をへこませるだけ。そのため、時間がたてば元の角膜の状態にもどせるのです。この点は、その都度、角膜を変形させる必要があるというデメリットでもありますが、メリットともいえるのです。

オルソケラトロジーの治療は、スポーツをする人にも向いています。
とくに目に衝撃を受ける可能性のある格闘技の選手です。レーシック手術は、角膜をレーザーによって削るため、術後の角膜強度が弱くなるといわれています。そこでフラップがうすいラゼック手術とかエピレーシック手術をすれば、術後の角膜強度はレーシック手術よりも強くなります。PRK手術でも同様です。そのため、これらの手術は、レーシックとは違って、格闘家に向いているといわれています。

しかしオルソケラトロジーの治療では、そもそも角膜を削らないのですから、角膜矯正手術よりも、角膜強度は高く保たれます。

そのほかのオルソケラトロジーのメリットとしては、仮性近視の抑制効果があります。近視は角膜の突出によって、真性近視に移行していきます。ところが角膜表面を圧迫するオルソkレンズを毎晩装用していると、子供の視力低下を予防し、近視の進行をおさえる効果があるといわれているのです。

さらにオルソケラトロジーの治療とコンタクトレンズを比較した場合、角膜の酸素摂取量が増えるというメリットがあります。コンタクトレンズは日中、目を開けているとき、ずっと角膜表面をレンズがおおっています。角膜は大気中から酸素を得ているので、これでは角膜が酸素不足になりがちであるといえます。

ところがオルソケラトロジーの治療では、日中は角膜の表面になにもありません。角膜の酸素摂取をじゃましないのです。そのため通常のコンタクトレンズの装用とくらべると、酸素不足に陥りにくいといえます。日中は、角膜からたっぷりと酸素を取り込めるのです。

そもそも近視って何だろう?

オルソケラトロジーで視力回復するには、近視にたいする基本的な知識を得ておく必要があります。

まずよく聞く言葉に、「仮性近視」というものがあります。
これは厳密には近視ではなく、近視の一歩手前の警告の段階になります。

これにたいして「真性近視」という言葉があります。
これは正真正銘の近視。それでは、仮性近視とどこが違うのかというと、真性近視は眼球が変形するのです。仮性近視は、毛様体筋(もうようたいきん)という筋肉のこりなので、コリをほぐせば簡単に視力は回復します。

ところが真性近視は、眼球が変形しているので治りにくいとされているのです。真性近視は屈折性近視からはじまり、軸性近視へと移行していきます。屈折性近視とは、角膜が突出し、水晶体が厚くなった状態。軸性近視とは、眼球がラグビーボールのように楕円状に長く伸びた状態。子供の近視を治すとしたら、屈折性近視の段階までといわれています。

さてオルソケラトロジーは、基本的に視力を回復させるものではなく、メガネやコンタクトレンズと同様に「視力矯正」です。つまり眼球は近眼のままで、よく見えるようにするのです。

オルソケラトロジーの視力回復効果は、仮性近視はもちろん、中程度までの近視に有効です。ただし軸性近視でも末期の「強度の近視」になると、適応できないという欠点があります。強度の近視は、角膜の突出が強いために、ハードコンタクトレンズ(オルソkレンズ)で変形しきれないのです。

しかしオルソケラトロジーの進化形にあたる「オサート」が登場してからは、視力0.01という強度の近視であっても、視力1.5にすることが可能になりました。




さて、オルソケラトロジーには、仮性近視を抑制するという効果があります。つまり本物の近視になる前の目に、オルソkレンズをつけると、眼球を圧迫して、近視の進行を阻止するのです。

これは仮性近視だけではなく、初期の屈折性近視にも有効かもしれません。子供の場合は、まだ角膜がやわらかく、目も柔軟に対応しようとするために、物理的な圧迫を加えれば、初期の近視が治る可能性があります。子供の視力回復として適しています。

オルソケラトロジーの原理とは?

オルソケラトロジーの視力回復の原理は、どのようになっているのでしょうか?

オルソケラトロジーでは、ハードコンタクトレンズのような硬い素材のレンズを、寝る前に装用します。そうすると眠っているあいだに、硬いレンズが柔らかい角膜を変形させます。

近視は目の屈折力が強いか、眼軸が長いため、網膜の手前で焦点をむすんでいます。そこでオルソケラトロジーでは、角膜の屈折力を弱めることによって、焦点距離を伸ばし、網膜上に映像をむすぶようにするのです。

角膜の屈折力を弱めるには、角膜の中央部をへこませるように、変形させます。それによって角膜の屈折力を弱め、近視を治療するのです。

この近眼回復の原理は、レーシック手術などの角膜矯正手術でも同様です。レーシック手術では、角膜の中央部をすり鉢状に平らに削ります。それによって、網膜の手前でむすんでいる焦点を網膜まで伸ばしています。




さてオルソケラトロジーでは、寝ているあいだに、角膜の中央部をへこませます。それによって眼がさめたときに、屈折率が変化しているため、視力が回復しているのです。

そのため日中は、メガネもコンタクトレンズもすることなく、裸眼で快適に過ごすことができます。裸眼となんら変わらない視界が得られるとともに、角膜から酸素をたっぷりと取り込むことができます。

オルソケラトロジーの視力矯正は、一時的に角膜をへこませているだけです。角膜には、弾力があるのです。そのため、だんだんと角膜がもとの形に戻ってきます

角膜の突出が少ない軽度の近視の人は、角膜の変形の戻りが少なくなります。そのため2~3日くらい装用しなくても、視力が出る場合があります。しかし強度の近視の人は、たいてい角膜がかなり突出しています。そのため角膜の戻りが早く、1日生活しただけでもとの形にもどることが多くなります。強度の近視の人は、基本的に、毎晩、コンタクトレンズをつけて寝る必要があるわけです。

このように、オルソケラトロジーは基本的に、日中は裸眼生活、睡眠中はコンタクトレンズの装用というリズムで、快適な視力回復生活を送っていくことになります。