オルソケラトロジーで視力回復するには、近視にたいする基本的な知識を得ておく必要があります。
まずよく聞く言葉に、「仮性近視」というものがあります。
これは厳密には近視ではなく、近視の一歩手前の警告の段階になります。
これにたいして「真性近視」という言葉があります。
これは正真正銘の近視。それでは、仮性近視とどこが違うのかというと、真性近視は眼球が変形するのです。仮性近視は、毛様体筋(もうようたいきん)という筋肉のこりなので、コリをほぐせば簡単に視力は回復します。
ところが真性近視は、眼球が変形しているので治りにくいとされているのです。真性近視は屈折性近視からはじまり、軸性近視へと移行していきます。屈折性近視とは、角膜が突出し、水晶体が厚くなった状態。軸性近視とは、眼球がラグビーボールのように楕円状に長く伸びた状態。子供の近視を治すとしたら、屈折性近視の段階までといわれています。
さてオルソケラトロジーは、基本的に視力を回復させるものではなく、メガネやコンタクトレンズと同様に「視力矯正」です。つまり眼球は近眼のままで、よく見えるようにするのです。
オルソケラトロジーの視力回復効果は、仮性近視はもちろん、中程度までの近視に有効です。ただし軸性近視でも末期の「強度の近視」になると、適応できないという欠点があります。強度の近視は、角膜の突出が強いために、ハードコンタクトレンズ(オルソkレンズ)で変形しきれないのです。
しかしオルソケラトロジーの進化形にあたる「オサート」が登場してからは、視力0.01という強度の近視であっても、視力1.5にすることが可能になりました。
さて、オルソケラトロジーには、仮性近視を抑制するという効果があります。つまり本物の近視になる前の目に、オルソkレンズをつけると、眼球を圧迫して、近視の進行を阻止するのです。
これは仮性近視だけではなく、初期の屈折性近視にも有効かもしれません。子供の場合は、まだ角膜がやわらかく、目も柔軟に対応しようとするために、物理的な圧迫を加えれば、初期の近視が治る可能性があります。子供の視力回復として適しています。